見つめよう、世界の出来事

                     ちえ

 最近、ニュースや新聞で、いろんな出来事を目にします。事件や、政治の問題、そして自然災害。ときには人の命がうばわれることもあります。どれも、印象深いことばかりです。
  特に自然災害は、たくさんの人がひ害をうけます。最近起こった自然災害のことを、思い出してみました。
  印象が深かったのは、スマトラ沖地しんの大津波です。理由はたくさんあります。でも一番の理由は、私が、津波がきたときインドネシアにいたからです。私は、大きいひ害を受けたバンダ・アチェからずっとはなれたバリ島にいました。だから、被害は受けませんでしたが、宿のテレビを見たとき、とてもびっくりしました。同じ国で、大きな津波があり多くの人がなくなった、ときいたのですから。
  日本に帰ると、電話や学校で、「津波にあわなくてよかったね。」と、次々に言われました。でも私は、それはちょっと違うなぁ、と思いました。どうして私はたすかったのに、あの人たちはたすからないのだろう。どうしてあの人たちが死ななければいけないのだろう。たくさんの人がなくなったのに、自分たちだけたすかったことをよろこぶのは、まちがっている気がしました。
  あの津波にがおそったあと、人々の生活はどう変わったのでしょう。テレビでも何度もその様子が流されました。津波が来る前のきれいなビーチも、海をただよってきた流木やこわれた家をなくした人たちは、いっしょうけんめいがらくたを集めてお金をかせいでいました。でも、何よりも変わったのは、家族をなくした人だと思います。仕事をしなくてはいけない、住むところもさがさなくてはいけない中で、まだ見つからない家族をさがす人たちの顔は、暗くて、とてもかなしそうでした。
  津波は、人々の気持ちや考え方もかえてしまったと思います。いつまでも「こわい」というきもちがのこって、きっと今も、不安の津波がおしよせているのにちがいありません。
私だったら何をするにもやる気がなくなってどうしよう、どうしようとなやんだと思います。バンダ・アチェの人も、そんな時があったと思うけれど、今は世界中からおうえんをうけて立ちなおろうとしています。家族をなくした人にも、なくなった人の分までがんばってもらいたいな、と思いました。
  自然災害はいつ起こるかわからなくて、防ぐのもむずかしいものです。もし、私が住んでいるところで災害があったら、みんなで助け合えるように、しっかりと身のまわりの出来事を見つめたいと思います。


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